2025.01.01

謹賀新年2025! 昭和百年

本年もよろしくお願い致します。
2024年は押し流された一年、年相応ということが犇々と感じた一年でした。
負けませんが。

 

まだまだ40代のつもりで、フットワークも軽く、でも年相応の老獪さで、荒波を進もうと思っています。

 

☆ ★ ☆

 

今年の万乃会は9/15(祝・月)@渋谷・セルリアンタワー能楽堂です。
さあ、二人袴。倅の小舞、しっかりやれるといいんだけど。
彼奴の希望は、長袴だったから、半分かなったかな。

 


■駿河湾フェリーにて、駿河湾に浮かぶ霊峰富士。この時は知らなかった高角の兜の型(狂言・文蔵で出てくる型です)を親子でやっていました。

 

中学1年の倅、小学校の時より成長を感じる日々です。

■毎年夏に恒例となった函館のバスク料理店の名シェフ・深谷師。2024年は杉並町のバスクが休店となって、十字街のラ・コンチャへ。高校生になったら、手伝いに行きたいと約束しておりました。

 

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2024.12.29

文三堂と佐奈田霊社

今年お稽古した「文蔵」。本番の前日、万作先生ご指名の補講があるほど厳しかったけれど、面白かった。
また、チャレンジしたい曲です。

 

2016年から昨年2023年まで、ずっと親子共演、主に子方が活躍する曲ばかりお稽古をしてきた。井杭の算置は、それなりに親も稽古の負荷は大きかったけど、それ以外は子方がきっちり狂言できるかを親がサポートするもの。万作先生に、親次第と言われていましたから、毎回倅の稽古を後でおさらい出来るように、自分の稽古はそっちのけでした。

 

過去にお稽古したことのある曲であれば、段取りも把握しているので気持ちの余裕がありましたが、全くの新しい曲は毎回ぐったりです。でも、自分の出番のところは、シテの倅が演り易いように、つけていくのです。
折角斯界の至宝・万作先生に教わっているのに、勿体ないなぁと思っていたのです。

 

親子9回目の今年、倅も中学に進学し、万作先生に稽古付けてもらえる内にやらせてもらえるものをと、万作先生の十八番・文蔵をお願いしました。
文蔵の太郎冠者は、倅ではダメと言われるかと思いましたが、何とかお許しを得ました。

 

倅には、狂言の舞、謡、語を万作先生にお稽古をつけてもらえたらと思っていましたので、倅本人が語を稽古しなくても、親がバシバシとしごかれるのをみていれば、きっといつか身になるでしょう。倅本人が語を稽古するとなると、膏薬練ですかねぇ。私も倅もトンボ切れないけど…

 

☆ ★ ☆

 

さて、この文蔵。源平の合戦、石橋山の合戦の語がメインです。いまでも、小田原から伊東に向けて進むと石橋山の古戦場の史跡があります。大通りを鈴廣の支店の先の小道を右折して、細い山道を上がると佐奈田与一義貞(義忠とも)と俣野景久が組み合い、佐奈田が討ち取られた場所に彼を祀る佐奈田霊社が建っています。
この夏、スズキの人気の軽自動車・スペーシアを買ってしまったので、それで遠出ついでに本番前にお参りしようということになり、山の神の運転で9月の連休中に出張ってきました。

 


■真新しい幟と倅

 

今では珍しい神仏混習なため、神社ではなく、霊社としているのだとか。
社務所の当番の方が言うには、喉にご利益があるので楽器演奏者や歌舞伎役者がよく来られるのと同時に、狂言関係者も来られるとのこと。文蔵の語を奉納される伊こともあるとか。ネットでも、確か見掛けたことがありますね。

 

江戸時代から講が盛んになったようで、そろばんの塚もあり、毎月与一の命日に例祭が行われているようです。
わが家が参詣中にも二組ほど、拝殿していました。

 


■本殿にお参り。三浦家の家紋と奥には佐殿(すけどの・源頼朝公)直筆の書状が。

 

☆ ★ ☆

 

一方、乳母親の文蔵(陶山文三家安)。与一の亡骸が埋められていたという大松を下って行ったところに、ひっそりとありました。
佐奈田霊社とは別のお寺さんが管理をされているようです。

 


■急な階段を下りていくと、文三堂。その脇が、武者二騎が転がり落ちたねじり畑。

 


■文三堂もそこそこ管理はされていましたが、ここにお参りする人はいるのだろうか。

 

☆ ★ ☆

 

現場を知って語ると、また声に力が入りますね。
稽古や本番を聴いていた山の神、武者二騎が組み合う場面は、手に汗握ったと言ってくれました。
うれしかった。

 

先日、通しの動画を確保しましたので、30分ちょっとの動画をご紹介します。
改めて見ると、気が付かなかったチョンボを見つけてしまい、やるせなくなります。

 

☆ ★ ☆

 

さて来年2025/9/15(祝・月)@渋谷・セルリアンタワー能楽堂の万乃会、我らは二人袴の聟と親を演ることになりました! 小舞が三本あって、稽古が始まる前に、今から倅にパロディになる前の正常版の謡と小舞を仕込まないとまずい。おざなりじゃ出来ないよぉ。

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2024.12.27

自分の居場所は自分で創る

「妻が出している本なんです」と、11/17の万作を観る会の時、唐人相撲でご一緒した田口恵介さんから声を掛けられました。 「Yes,Noh.: ニューヨークから34歳で能の世界に飛び込んだ女性能楽師のYESな半生」(関直美・著/KuLaScip) 残念ながら、関師の舞台は拝見したことはないのですが、読み進めると、なかなかアグレッシブな方ですね。 自分の居場所は自分で創るという、家の子とは違った力強さを感じます。ヤマザキ・マリの母親も北海道で生き抜いた人ですが、関師も十勝から30歳を過ぎて、新たな道を切り開いたんですから。 ☆★☆ 家の子以外の人が、能楽師になるには、いろいろな道があるのです。 しかし、30を過ぎてから飛び込むのは、熱量がないと出来ません。最近、喜劇人・小松政夫の関連本を何冊も読みましたが、別の仕事で実績を作ったうえで、芸能の世界に飛び込んだ方の生き方は参考になることが多いです。 ただ、ただ熱量に圧倒されます。 ☆★☆ 能楽師の本は、我々素人弟子にとって、日々の稽古のヒントになるようなことが、あちこちに散らばっています。文章の全部が全部ではないですが、何かひとつでも心に引っかかるものがあれば、読む価値があるのです。 本書では、宝生流の関師が金春流の前宗家と対談をしていて不思議な気がしたのですが、読み進めると頷くことになります。 今の能楽の世界でも、家の子以外から飛び込んでくる方もいらっしゃるでしょう。同じように熱量のある方々なのかなぁ。それが分かるのは、彼らが七十くらいになって、来し方を語る段でしか知ることはないでしょうけれど。まずは、今を精一杯芸に精進されているでしょうから。 ☆★☆ さて、本書を紹介した田口さんの奥さん。この方は花王から独立されて出版社KuLaScipをされているという経歴。 こちらも興味津々なお方ですね。

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2024.10.07

2024年の万乃会無事終了

この日曜日、無事第37回万乃会(万酔会)も終演しました。
われら父子の文蔵、前日の万作先生の補講1時間半の甲斐あってか、何とか形になったでしょうか。

 

 

遠くからご来場された方、十年ぶり、二十年ぶりにお顔を配した方もいて、感激しています。
ありがとうございました。

 


◆太った倅、よく20分辛抱した。

 

☆ ★ ☆

 

万作先生のお言葉を伺っている関係者談によると、

 

・1週前に文蔵はシテ(私)だけは稽古をつける、倅はいい。都合がつくか連絡せよと。
 本番では何とか形にはするだろうが、補講をすることに。
・本番後、補講をして良かったかな、とも。

 

本番で痛かったのは、与一が俣野を跳ね返した場面で、俣野を取って抑える前に、兜をかなぐり捨ててしまい、慌てて取って押さえる型を突っ込んだら、乱れ髪を掴んでの言葉が一瞬出なかったところ。

 

同じセリフを二度言わないように考えたら、詰まってしまい、万作先生につけてもらってしまった。

 

あれ、倅もつけてもらってなかったか??

 

それはともかく、終わりました。

 

☆ ★ ☆

 


◆出番前の楽屋にて

 


◆出番前の楽屋にて、その2。肩衣は亀でしたね。

 

今回は、通しの動画がまだ入手できないので、片割れ月~佐奈田なるこそ知られける の語の一部を

 

☆ ★ ☆

 

今回、「文蔵」を希望したのは、倅と親子共演ばかりだったので、私がシテで、万作先生にこそ習った方がいい曲にしようと考えたのです。万作先生は、私が狂言の稽古に対して、毎年子供の相手ばかりで、向上心がないと思われていたらいやだなぁと思っていたのもあります。

 

それと、倅に、狂言の語が、狂言のセリフと違うことを、一緒に稽古をすることで、サブリミナルな効果があればという思いもありました。
効果、あったかなぁ。

倅に、狂言の語の稽古を一緒に受けさせられたのは、よかったと思っています。本人は何年後に気が付くかわかりませんが… 

☆ ★ ☆

 

飲み会の場で、文蔵の語は那須より難しいんでは?と言われました。
那須は若さ、勢いで出来ると。
そうかも知れない。

 

それから、「二千石」をやってから「文蔵」がセオリーとか。
知らなかった!

 

☆ ★ ☆

 

来年は、2025/9/15(祝・月)@渋谷・セルリアンタワー能楽堂です。

 

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2024.08.12

2024年の万乃会(万酔会)情報

毎年恒例の万乃会のご案内です。
本番まであと2か月を切りました。
※今年は公式パンフ不要で入場可能です。

ご案内します。

第37回狂言万乃会
2024/10/06(日)@水道橋・宝生能楽堂

10時半開演(当初より30分開始が遅くなりました)

今年は、建替前の宝生能楽堂にて行います!(女子御三家の桜蔭学園の隣)

☆ ★ ☆

 

PDFは↓

万乃会

 

【★は万酔会メンバー出演】

我が父子の出番は12:00過ぎ。
中1の倅と30分程の狂言・文蔵をやります。
親子で久々に親の私の出番が派手な曲です。
源平盛衰記の石橋山合戦の佐奈田与一の語をします。

10時半始
 粟田口★
 魚説法
 昆布売
 (語)元日の語
 (独吟)水汲
 (語)奈須与一語
12:15頃
 文蔵--------->前田親子★
 佐渡狐
 仏師
13:40頃
 菊の舞(小舞)
 七つ子(小舞)★
 貝づくし(小舞)★
 海道下り(小舞)★
 酢薑
 樋の酒
14:30頃
 梟山伏★
 舟渡聟★
 鐘の音
15:40頃
 連歌盗人
 隠狸
 小傘★
15:10 終演予定
☆ ★ ☆

お時間がありましたら、是非ご来場ください。

 

正式な番組が上がりましたら、PDFをアップします。

 

 

 

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2024.01.01

謹賀新年2024

謹賀新年

本年もよろしくお願い致します。
怒涛の2023年を振り返る暇もなく、2024年に突入です。

昨年は私も夏にコロナに罹って40度超え、秋はインフルエンザA型にもやられました

今はピンピンしてますけど。

☆ ★ ☆

今年の万乃会は10/6(日)@水道橋・宝生能楽堂です。
今年は、チビに狂言の語の稽古を突き合せようと思って、私がメインの文蔵を希望していますが… 駄目だと、ドタバタ系のあれですが。



■親愛なる岡本太郎展にて。「雷神」の真似をする愚息。

今年は中学生になる予定の愚息、どうなるかねぇ。

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2023.11.19

無事第36回万乃会、無事終演

無事第36回万乃会、終演しました。

われら父子の「盆山」。何と勤められました。ありがとうございます。
イキナリ絶句気味で始まったチビ。何とか持ちこたえました。
一方、親の私、掛け合い早々やらかしました。夜の懇談時、後見の飯田先生に「よく持ちこたえましたね」と言われてしまった...

来年、長めの曲をお願いしたいのに、ちょっとどうかなぁ...
動画見ると、型も酷いしなぁ。

もう一回やり直したい。

でも、素狂言の通円の後で、ちゃんと盛り上げて次につなげたと思っています。

正面で見たいた山の神の後ろでは「爺ちゃんと孫?」と呟かれたたそうです。

えええーーー
私が老けているのか?
チビが幼いのか?

真相は如何に?

☆★☆

前半の独り舞台、稽古8年の成果が出たんではないですかねぇ。
倅もやっと「狂言」らしくなってきたと思います。
基本的な型の多い盆山にした甲斐があったかな。



◆出番前の楽屋にて。肩衣の絵は、二年ぶりに兎(去年はカマキリ)。


◆ここまではよし

◆本人は鋸引きが気になった型の模様

◆指先にも神経を!と言ったんですな

◆ここも何度も稽古したね

◆前よりは良くなったか

◆ビュッフェバイキングの気持ちでとアドバイスした型

◆もっと派手にと言ったんだが

◆うむむ

◆ヒレに見えるかな


こんな感じでした。

さて、来年はチビは中1。続けるか。続けるにしても、親子二人ものにするか。
まだ声変わりしてないから、出来そうだけど。

個人的には、今度は語りのある曲にして、一緒にセリフ稽古を受ければ、成長するかなと思っているのですが。

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2023.10.17

2023年の万乃会(万酔会)情報

毎年恒例の万乃会のご案内です。
本番まであと1と月となりました。
※今年は公式パンフ不要で入場可能です。


■お尻向けて失礼っ!

ご案内します。

【PDFはここ】

第36回狂言万乃会
2023/11/18(土)@渋谷・セルリアンタワー能楽堂

10時開演

☆ ★ ☆

【★は万酔会メンバー出演】

我が父子の出番は10:15過ぎ。万作先生の番外小舞、地謡の後なので、混んでいるかもしれません。
小6のチビと7分程の狂言の小品・盆山をやります。
来年は中学生なので、親子狂言はこれでしばらく打ち止めになりますかどうか...

4歳の痺から始まって、いろいろ愚息にやらせましたが、小学生最後の狂言は、しっかり型のある小品をと思いました。
謡や舞のある曲はやっていませんが、こういう小さい型の積み重ねは大切なので。

なお、私は会の終盤で、名取川の地謡にも座ります。

10時半始
 鉄輪(番外小舞) 万作先生
 通円(素狂言)
 盆山--------->前田親子★
 昆布売★
11時過ぎ
 竹生嶋参
 継信の語(間語)
 蝉(小舞)
 祐善(小舞)
 鏡男★
12時過ぎ
 清水
 宗論★
 附子
 謀生種
 魚説法
14時過ぎ
 文荷
 仏師★
 千鳥★
 二人大名
 柑子★
 茶壷
16:40
 名取川------->地謡に前田も★
 二人袴
17:40 終演予定
☆ ★ ☆

お時間がありましたら、是非ご来場ください。

 

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2023.01.01

謹賀新年2023

本年もよろしくお願い致します。
怒涛の2022年を振り返る暇もなく、2023年に突入です。

 

家族で私だけコロナに罹らず、北へ南へ東奔西走しております。

 

☆ ★ ☆

 

今年の万乃会は11/18(土)@渋谷・セルリアンタワー能楽堂です。
今年は、初心に帰って、親子2人で盆山を希望していますが…

 

 


■昨年正月は十勝・鹿追町で犬ぞり初体験@マッシング・ワークス。長老のリーダー犬と記念撮影

 

イキナリ、橇から落ちました!なのに、気が付かない御者のチビ。

 


■ロケットスタートと同時に…

 


■粉雪が、どどどーーんと

 


■普通に滑れば、こんな感じ。

 

 

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2022.11.08

無事第35回万乃会(万酔会)も終演しました。

われら父子とS君の「附子」。無事演じられました。ありがとうございます。
稽古ズタボロのチビですが、本番では何とか様になったようです。
楽屋では先輩諸氏に「本番に強いね」とか言われていましたが、真相は稽古では目も当てられず、太郎冠者のS君がかわいそうとまで... あひゃひゃ。

万作先生にも、「セリフは良かった」とお褒めを頂きましたが。ねぇ~。

私は、山から帰ってきたセリフで噛んでしまったり、悪戯の報告を聞くシーンで向きを変えるところをよろめいたり。情けない。


◆出番前の楽屋にて。




◆附子は名作ですよね。

画質もひどいですが、こんな感じでした。

さぁ、来年はチビは小6。親子二人ものにするか、どうするかねぇ。

 

 

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