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2004.07.24

リアルではなく、リアリティーをもって

夏と言うのは、子どもの頃を思い出させる不思議な季節。

夏の思い出(注:音が出ます)の歌のせいなのか、太平洋戦争の敗戦を語るドキュメンタリーの摺りこみなのか。夏休みが楽しかったからなのか。こんな季節感は日本だけなのかな。「懐かしい」の語源は、「馴れる」とか「なつく」なんだけど、「なつ(夏)」が入っているのもあるかも。。。そんなことはないな。

今月初めの書評欄で「吉祥寺 消えた街角」(土屋 恂)を見て、昭和40年頃の吉祥寺の町並みを思い出してみたいなと、図書館でいろいろ借りてみた。ガキの頃の吉祥寺のイメージは、北口のトタン屋根の闇市。(大阪に住んでいた頃、何度か買い物をした北摂の庄内市場もそんな感じだったか。震災後は寄っていないので、今はどうなっているのか分からないが)

・「吉祥寺と周辺寸描」(鈴木育男)らかんスタジオ

「吉祥寺 消えた街角」(土屋 恂)河出書房新社 ; ISBN: 4309905862

 「吉祥寺 消えた街角」の題名の本歌となるのが以下の2冊だと知って借りる。

「東京消えた街角」(加藤嶺夫)河出書房新社 ; ISBN: 4309903665
「東京懐しの街角」(加藤嶺夫)河出書房新社 ; ISBN: 4309904599

母親が昭和40年まで吉祥寺で勤めていたので、その頃の話を合わせて聞いてみる。
駅舎内に掲げられている病院の看板の写真を指して、ここで生まれたと言われたり、とあるオフィスビルが建つ前には地主と毎朝挨拶したとか、終業後にドレメで裁縫の稽古をしていたとか、聞かされたりして、へぇの連発。ドレメってドレスメーカーのことなんですねぇ。


写真を見てて思うのは、30年位前の吉祥寺に2階建て以上の建物がなくて、今のちょっと田舎の町と変わらないんだということ。月並みだけど、昔の町並みの方が人間臭いのは何でだろう。

☆ ★ ☆

それと白黒写真の奥行きの深さ。情報量はカラーより少ないはずなのに、語りかけるものが大きい。そう言えば、前の会社の写真部の同期が「事件現場の血痕は、カラーより白黒の方がリアル」と言っていたな。

能でも、粟谷明生が父・粟谷菊生に「リアルではなく、リアリティーをもって」と教えられたと語ってます(「貴重な大槻自主公演」@粟谷能の会)。

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