やるまい会@名古屋(2004/12/23)
「やるまい会特別企画・野村家三代披露公演」@名古屋能楽堂(2004/12/23)のチケットを運良く入手。又三郎、小三郎、信朗(のぶたか)三代の猿を観に行く。それに名古屋チックな豪勢な番組。九郎右衛門さん、萬、万作、千作翁、源次郎さんと揃えたもんなぁ。初めてプロの狂言を観るという方にも、安心して奨められました。
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<番組>
「靱猿」大名・野村小三郎、猿曳・野村又三郎、太郎冠者・松田高義、猿・野村信朗
狂言語「那須与市語」野村万作
舞囃子「鶴亀」片山九郎右衛門(大皷・河村総一郎、小鼓・大倉源次郎、太鼓・前川光範、笛・竹市学)
狂言舞囃子「三人長者」せせなげ長者・井上祐一、市森長者・佐藤友彦、蒲生の長者・大野弘之
狂言小舞「貝尽し」三宅右近
「貰聟」夫・茂山千五郎、舅・茂山千作、妻・茂山正邦
「千切木」太郎・野村萬、当屋・野村与十郎、太郎冠者・野村祐丞、初心講の連中・野村小三郎、井上靖浩、佐藤融、野口隆行、奥津健太郎、太郎の妻・野村又三郎
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じっくりコメントする力がないので簡単に。
「靱猿」
開演直前に鏡の間から猿の泣き声が漏れ聞こえてきて、15分ほど押してお幕。又三郎家の猿は初めて観たが、同じ和泉でもあっさりと進む印象。又三郎さん、知らぬ間に老けたと思えたのは気のせいか。後の小三郎さんの解説によると、又三郎家三代が同じ番組に立つのは12代の又三郎でも初めてらしい。猿はしっかりと演じてました。これからが楽しみです。
「那須与市語」
万作さんの那須は個人的には学生時代に大隈小講堂での講演中に観て以来。最近見た万作さんの舞台では声がしゃがれていたこと考えると、最後の乳吸わいもしっとりとした声、型も躍動的。迫力満点。
「三人長者」
珍しい3人の連舞。
「貰聟」
千作翁、扇を使って立ち上がって、足が心配だったが、存在感は健在。千五郎さんは千作翁とは違った安定感がありますね。
「千切木」萬さんも若い。3兄弟でうちの先生だけだなぁ、枯れているのは。末っ子で10以上も下なのに。
この日は猿のお祝いは脇に置いといて、萬、万作二人が圧巻でした。又三郎さんはその陰に隠れてしまった感じ。小三郎さんの時代なんだろうけど、又三郎さんの軽みのある狂言とは離れているので、少し寂しいですね。
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終演後、初めて狂言を見た知人は「何で狂言の女はみんなわわしいの?」と尋ねてきた。「千切木の女はわわしいけど、貰聟はわわしくないでしょ?」と切り返すと、正邦くんの倒れ方が「男っぽい倒れ方」でわわしく感じたとか。なるほど。倒れる意味に、倒れるとか突き飛ばされる以外に、女らしく倒れるなんてものは求められてないもんねぇ。
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