野村狂言座@宝生(2005/1/13)
今年の初観劇は鶏聟、鶯、宗論の野村狂言座から。先輩から折角譲ってもらったチケット(脇)だったが、風邪薬が効きすぎてか見事に轟沈。座った途端から、足がだるくて嫌な予感がしたのだが。。。
☆ ★ ☆
裕基君(萬斎の長男)の土車、遼太君(萬斎の甥)の風車の小舞で幕開け。裕基君の姿勢は背筋が伸びてて、運足でもぶれず気持ちがいい。気遅れのないところが楽しみ。万作さんも孫の成長が楽しみだろう。
鶏聟(聟:高野和憲、舅:石田幸雄、太郎冠者:月崎晴夫、何某:萬斎)
うつらうつらで夢心地。完敗。
鶯(何某:万作、飼い主:萬斎)
初見。何とか目を見開いて見る。太刀も刀も巻上げられてしまってからの独白部分が哀愁感じる部分だが、万作さんの場合は昔観た舞台に引きずられてしまう。万作さんが寂しそうに語る舞台のときは、20年程前に見た鍋八撥で鍋を割ってしまったときのあの顔を連想させてしまう。条件反射的に、鍋八撥で腹をさすっている時の顔が離れられない。物寂しさは、鶯の何某も鍋八撥の鍋売も同じ根っこだからだろうが。。。。
宗論(浄土僧:万之介、法華僧:深田博治、宿屋:竹山悠樹)
橋掛かりを歩む万之介先生を見て、また小さく見えて思わず目をこすってしまった。両ジテものなのだが、上手くかみ合わない。救いは次第。万之介先生の謡は稽古のときに何度も身近で触れているのだが。謡や台詞は技を見せ付けるような力技じゃなく、綺麗なもの。考えて過ぎて発声したり、芸にハナを掛けたりすると、くどくなる。今や万作一門の中では、みんな「これでもか!これでもか!」という謡や台詞ばかりになってしまったからなあ。声量では負けているので、辛いところ。
この日は、裕基君の勇姿と万之介先生の次第だけを土産に帰る。
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