青青会(2005/2/11)
若手の精進の会、第35回「青青会」(2005/2/11)@杉並能楽堂へ。
終演時に東次郎家の当主が番組や狂言の四方山話がまた楽しみでもある。
開演前に、平田さんから今参のシテの大名を勤めるはずの遠藤さんが病気欠勤し、東次郎さんが勤めるとのこと。思いも寄らぬ東次郎さんの狂言が拝めると喜んでしまった。その病気がメニエール病と聞いて、3時間前の自分勝手な喜びが心苦しい。
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今参 (大名)東次郎、(太郎冠者)則直、(今参)則秀
千鳥 (太郎冠者)則重、(主)平田、(酒屋)則俊
小舞 景清 若松
小舞 貝尽し 則秀
小舞 蛸 泰太郎
千切木 (太郎)則孝、(亭主)則直、(客)則秀、(客)若松、(客)則俊、(客)山本修三郎、(客)鍋田、(客)則重、(太郎の妻)泰太郎
久々に東次郎家の渾身の狂言を観た。道具がこけそうになったり、長袴に足を取られることもあったが、ご愛嬌だろう。東次郎・則直・則俊三兄弟と泰太郎ら次世代とではまだまだガップリ四つには程遠いし、まだ個人個人のイロが見えてこないが、それはこれからのお楽しみ。茂山の千三郎さんも、父親の千作翁と狂言をがっぷり演れるようになったのはここ数年だったと思う。それまでは添え物みたいだった。
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この日の東次郎さんのお話。「今参の大名は若いときに演れ(稽古しろ)」と先代に言われたとか。型が似ていても、実は違う(蚊相撲と今参では、同じお目見えのシーンでも新参のものの背景が違うとか、同じ偶然集まっている客人を呼ぶシーンでも千切木と鬮罪人でも、千切木が連歌を始めたばっかりで夢中になって客の家に集まっていたのに比べ、鬮罪人ではもう流石に当主に鉾の籤引きをしないとまずいと談合にあつまっていたとか)話。道具にも意味があるが(例として、太刀とドスの違い)、これからの時代はそういう意味も読み取ってくれないかもしれないという危機感とか。
死語と呼ばれる言葉もそうだが、物の背景も認識の断絶があるんですね。
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2日前に出版された「中高生のための狂言入門」(山本東次郎、近藤ようこ)を若松さんが宣伝していたので、買って帰る。
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