« アクアジュエル スリーアウト | Main | ミュージカル・バトン、着ちまったか! »

2005.06.19

元気か、元気よー、元気か

先月末から掛っていたWILLCOM(ウィルコム)のCM「通話無料 父娘編」。(30秒60秒90秒のうち60秒がいいな)
父とこの春大学進学で上京したばかり娘の物語。
通常携帯電話のCMに登場する若い女性は、しっかりしたとかセンスのある、要領のよさそうな都会娘。でもこのCMは対極の設定。きっと父親は心配だろう。用がなくても「元気か?」と電話を掛けるのも肯ける。

最初の頃の父の「元気か」の問い掛けに答える娘の「元気よー」。この語尾の「よー」が暖かいんだよなぁ。都会では中々聞くことの出来ない、いい意味での内輪向けの音感。

それが、都会の孤独に直面して、父「元気か」娘「元気」、父「元気か」娘「元気よ」、父「元気か」娘「元気だよ」と段々トーンが変わってくる。孤独感、焦燥感。声は嘘つけない。同じ「元気」という短い答えでも、気持ちは伝わるんだなぁ。会話は言葉の意味のキャッチボールだけじゃないということを再確認させてくれる。

☆ ★ ☆

狂言の台詞でも、同じような言葉を何度も繰り返すが、みんなニュアンスが違う。会話だから、間や相手への台詞の渡し方で、その違いを出せるんだけどね。稽古で先生からポイントを教えてもらうのは、主にその点。音や拍子の違いより、体得するのが難しい。一門の若手に注意することしばしばらしい。恐らく気になる点というのは、昔先生自身もよく注意させられたんだろうなと想像する。

強がった娘の申し出に、父が答えた「元気か」は、「頑張れよ」「応援しているからな」というメッセージ。文字通りに言葉を受け取れないところが、狂言の水掛聟などで、舅が婿の肩を持った娘に言い放つ「もう祭りには呼ばぬぞよ」という台詞と重なるなぁ。
会話って奧が深いと思う。

☆ ★ ☆

TVでは今は趣が180度変わったものに変わってしまい残念だが、映画館ではしっかり父娘編が掛っているようだ。

|

« アクアジュエル スリーアウト | Main | ミュージカル・バトン、着ちまったか! »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 元気か、元気よー、元気か:

» [blog]Musical Baton [ひとりごと]
id:koromamaさんから回ってきました。 ・Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量) 携帯の呼び出し音にしようとダウンロードしたファイルがどこかにあったと思うけど。20秒分ぐらいかな? ・Song playing right now (今聞いている曲) 今静か。何もかけたない。 ・The last CD I bought (最後に買ったCD) 憶えてない。図書館で借りたり、子供の貰ったり、買って... [Read More]

Tracked on 2005.06.21 19:38

« アクアジュエル スリーアウト | Main | ミュージカル・バトン、着ちまったか! »