気持ちがいっぱいって馬鹿っぽくない?
今日(2007/6/2)付の日経夕刊のコラム・プロムナードで三浦しをんが「言語感覚のちがい」と題して、「そうなんですね」を取り上げていた。
「そうなんですか」「そうですか」「そうですね」と比べると、尻の座りが悪い気持ちになるというのだ。僕はこの「そうなんですね」には、がっくりする気分にはならないが、「気持ちがいっぱい」という言い回しにはぐったりする。
「悲しい気持ちでいっぱいです」とか「うれしい気持ちでいっぱいです」って、普通に「悲しいです」とか「うれしいです」と言えないものなのか。「いっぱい」と言う言葉は、「元気一杯」という使い方のような「ものが満ちる」という意味があるのでおかしくは無いのだろうが、幼くというか、馬鹿っぽく聞こえるんだが、どうだろう。
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語感の差は、狂言の台詞にもよく使われている。たった20分くらいの一曲中に、似た意味の言葉が何度も使われるので、重ならないように微妙に変えてくる。加えて語勢も音程も違うので、そこそこのバリエーションになる。たった一つのフレーズの「その通りじゃ」でも、いろんな意味にとれるようになるのだが、実演してみると思った通りにはいかないんだよなぁ。
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「慙愧にたえない」という使い方で、美しい国とか教育改革を標榜している総理。隗より始めよで、正しい国語、美しい日本語をまず自ら使わないといけないですね。
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