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2007.08.15

ウルトラセブンと狂言(1)

春先までMXで放映していた特撮の金字塔「ウルトラセブン」。帰宅した時にたまに見ていたのだが、能狂言の狂言と思わぬ共通点があるように感じた(セブンと狂言:2007/6/17)

ひとつは、物語の構成。

子供向け番組だったこともあって、最後に怪獣とヒーローの格闘シーンを無理やり作っているところ。ノンマルトの使者など、すぐれた回もあるのだが、むりやり怪獣・宇宙人を登場させ、セブンと戦わせている。物語の中で、別にセブンはいらない。戦闘シーンがない方が綺麗に出来ると思う。

これと同じ構成と感じる狂言が大曲「釣狐」。あの「猿に始まり狐に終わる」の狂言師の卒論とも言われる曲。前場の白蔵主の語の部分、猟師との問答、古塚へ帰るときの苦悶。いずれも力が入る舞台だ。ここまでで、十分一つの舞台になっている。

一旦幕に入って狐の姿になって戻ってくる以降は蛇足。折角の緊張感をぶち壊していて、ストーリーとして破綻している。本当はいらないシーンなのだ。

これは「狂言はお客さんの心を幕の内に引きずり込んではいけない。必ず素に戻さねばならない」というスタイルに従っているからなのだろう。

狐役者と呼ばれる万作さんはどう思っているのだろうか。いろいろ動物の狐の動きを研究して真似た演技をしていたというが、全体の構成として、破綻しているのではという迷いはなかったのだろうか。

☆ ★ ☆

台本は沖縄人・金城哲夫がメインに書いていたそうだ。彼は沖縄の組踊にも造詣があったと思う。能狂言の影響を受けている組踊から、このような無理やり戦闘シーンなどのお約束を作るということにも波及しているのではないかと思う。どうかなぁ。

図書館で組踊の番組を調べることはしなかったが、セブンと恐らく似たようなドラマ構成の曲がある気がする。時間が出来たら調べてみたい。

ふと、ウルトラセブンを見てて思った春先だった。

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