少林寺の白蔵主
先週読んだ「京都妖怪紀行-地図でめぐる不思議・伝説地案内-(角川oneテーマ21 B-98)」。卒論もスラブ妖怪をテーマにしてたのもあって、妖怪ものは学生の頃からいろいろ読み倒していたからか、目新しいことはなかった。
が、ひとつだけ本書で知った挿話がある。白蔵主の屏風の話。宗旦狐や殺生石の狐など妖狐のカテゴリの中で、最後に白蔵主が取り上げられていた。
昭和35年に某資産家が所蔵していた鈴木松年(調べてみると四条派の画家で、松園の師匠。ここを参照)の筆とされる白蔵主の屏風が大徳寺・龍源院に納められた話である。堺の少林寺の逸話を画題にしているこの屏風。これを持っていると家運が傾くとかでお坊さんに相談されたそうだ。するとこの絵の白蔵主が、まだ修行中なのでお寺に行きたいということと見立てられたとか。狐に縁のある、大徳寺の龍源院に納められることになったそうだ。
(少林寺自体も、大徳寺派のお寺さんのよう)
堺の少林寺のことは、野村万作の「太郎冠者を生きる」に、ちっぽけな寺で感慨はあまりなかったとか述べていた覚えがある。この屏風の話はご存知ではなかったのかなぁ。
先の本ではもう一般公開していないようだが、サイトを探してみると、こことここにその屏風らしきものがある。
そういえば、同書に載っている宗旦狐の絵も釣狐を画題にしている感じだったな。
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大阪に13年居ったけど、一度も少林寺へは行かなかった。もったいないことをしたな。
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