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2007.12.20

仁王@万酔会2007(2)

今年の万酔会は、川崎で始めてから10回目の節目。それなら、大人数物で賑やかにということで、番組の候補に挙がったのがこの仁王。素人が演って面白く、賑やかで、立衆の多くが活躍する。立衆(仲間内では、「ゾロゾロ」とも言う)が台詞も型もあるのはあまりない。千切木にしても、釣針にしても、せいぜい立頭が幾つかの所作があるくらい。かといって、茸や朝比奈だと、みんな面をつけていて、顔が見えなくて寂しい。

その点、仁王は立衆みんな台詞があるし、所作もある。その上台詞は、受けを狙える美味しいもの。しかも、今までの万酔会では一度も掛かっていない。

という訳で、仁王を演るのは確定。それなら、竜楽さんに演ってもらったら、大受けするのは間違いないという予想もあった。案の定、ちゃんと受けていたみたいだった。

秋口に観た萬斎シテの仁王では、万之介先生の躄に喰われていたけど、万酔会の竜楽仁王は、躄には喰われてなかったとか。そうだよなぁ。毎日お客さん相手に勝負しているんだからな。

☆ ★ ☆

この仁王。稽古の時に、「台詞を間違えやすい曲だ」先生が仰っていた。なるほど、他の曲とは若干台詞のリズムが違う。大分後期になってから出来た曲なのではないか。台本に「脚気を治して欲しい」とかあるくらいだから、室町戦国期ではなく江戸時代の作なのかもしれない。また遠国へ出て暮らすのに、商いを始めるなんていう台詞も、近世の香りがする。これは勘だけど。

実際に、顔や大袈裟な所作で笑いを取ることが出来るので、嫌いな狂言の一つという人もいるしね。

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