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2007.12.11

仁王@万酔会2007(1)

トリで出演した仁王の様子はこれ。

仁王@2007万酔会(博奕打:竜楽、何某:前田 他)

私個人の当日の出来は、う~ん。
稽古中からの課題の台詞も、今一。

知音の衆を呼び出した後、正面を向き忘れ。型は一つ飛ばしてしまった。正面を向いたら、幕を開ける手筈だったのだが、ずっと幕に向かっていたために、なかなか立衆が登場できず。こっちも、早く出てこなくて何やってんだと、頓珍漢なことを思ってしまっていた。で、幕が開いてから、あ~~っ、正面向き忘れたというのに気が付くはめに。

☆ ★ ☆

仁王へのお願い事は、好き放題やりましたわ。普通はサクラ役の有徳人は、一腰の刀を奉げながら、「さてもさてもご殊勝なことかな。私はこれをあげまするほどに、息災延命にお守りなされて下され」とやり、段々立衆のうしろに行くうちに崩していくのだが、今回は初めからやらかしました。

別人という扱いで、有徳人は「まだ独り身の前田君に、どうかよい連れ合いをおさずけなされて下され」と祈願。普通は有徳人は妻帯者なので、「私は未だ定まる妻がござらぬ。どうか似合わしい妻をおさずけなされてくだされ」という定番の妻乞いの台詞は使えなかったため。

まず、これで見所はビックリしたようだ。まさか具体的な名前が、台詞に登場するとは思わなかったからだろう。まぁ、これは普通の舞台でも、演者の本名が出ると見所が沸くのと同じ。

で、次の立頭が、いきなり競馬新聞を懐から取り出したので、これまた驚いた模様。まさか、狂言の設定とは違うものが出てくるとは想定外だったんだろう。ちゃんと「勝馬」という題字が判読できたみたいだ。有馬記念で万馬券を当てさせて欲しいというのも受けていた。

余談だが、この日の中央競馬の中山メインレース「朝日杯FS」。15時半に先生の頼まれ馬券が当たり、これを先生に伝えると大喜び。楽屋で、くれぐれもこのことは舞台で言うなと念押ししていた。幾ら張っていたかは内緒。私は毎回毎回立て替えてたけど、馬券購入の手間賃を頂きました。

その次の参詣人のお願い事は、万酔会の繁栄祈願。それと万之介先生の人間国宝を授けて欲しいとのお願い。これは嫌がるかもと思って、先生には事前相談なし。万酔会繁栄祈願でも拍手があり、また人間国宝祈願も大きな拍手を頂きました。ありがたい見所でした。そのせいか、後見をやっていた先生が舞台を切り戸から下がる時に、大きな拍手があがりました。今まで、後見が下がる時に拍手はなかったんですよねぇ。仁王は良い終わり方をしましたなぁ。

次は髪の毛ネタ。あたまがさみしゅうなったというのは、千五郎家の常套句。仁王と似合うを引っ掛けた台詞で場内爆笑。

次の参詣人は女性なので、9号サイズに戻してと祈願。これも笑いを誘ってました。

最後の「私に力を与えて下され」は、仁王が顔をしかめる型があるので、このまま生かす。小さな女性が口に紙を含んでくちゃくちゃやるのは面白いだろうということもあったが、先の5人の台詞で笑いを取り過ぎてしまった。

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