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2007.12.06

異人の唄@新国立劇場中劇場(2007/12/2)

異人の唄の楽を新国立劇場中劇場(2007/12/2マチネ)で見る。
予備知識はギリシャ悲劇のアンティゴネを元に換骨奪胎したものということのみ。

う~む。ギリシャ悲劇は手強い。一緒に見た同期と話したのだが、近親相姦は現代日本とはかなり縁遠いテーマ。横溝正史の角川映画の世界くらいしか、もう思い浮かばない。テーマだけで言うと、能に近く、様々な伏線、教養が求められる。ネタばれなんという「せせこましい」感覚ではなく、話を知って、その上で芝居の細部から感じ取らねばならない舞台。

舞台が円形の直径30mの砂場(後でコロスの石本っちゃんに聞くと、本物の砂場でかなりの負荷があると言う)。櫓が一種の鏡松の役割を果たし、神が降りる象徴的なものになっている。これは昔々、浜辺にあった能舞台のようなそんな設定。そう言えば、蜷川がシェイクスピアのテンペストで、能舞台を使っている美術があったっけ。

芝居の展開より、このギリシャ悲劇をどう新しく演出するかが、この芝居の本題だったのかなぁ。
見る人によって、好き嫌いが二分されると思う。しかも、初日から段々煮詰まっていったらしいので、初日と楽日で趣もかなり違ったのではないかなぁ。

☆ ★ ☆

歌うのを封印しているために、折角歌唱力がある土居と純名の歌がラストにだけしか使えないというのも辛いなぁ。演出する方もジレンマがあっただろう。

メインメンバー5人は存在感で舞台を作ってはいたが、いろんな試みとしたら、コロズの方が面白そうに思えたなぁ。撥ねた後、石本っちゃんに聞いてみると、振付の井手茂太と一緒に演れるというのが、嬉しかったのだそうだ。

そうだよなぁ。他のコロスの面々が、彼より10も20も年下のように思える若手ばかり。そんな中、体力勝負の砂浜でのパフォーマンスは、同じ40の男としてみても大変だったと思う。彼の次回のステージは正月明けの明治座で、殆ど対極にあるもの。受けたのは、そういうのもあったのだそうだ。

☆ ★ ☆

新国立劇場の楽屋へ初めて行ったが、凄い。お城のようだ。海外からオペラを一杯呼ぶから、それなりの施設になっているんだろう。警備もシステマチックで、これにも驚いた。

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