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2008.04.16

黒い瞳は雙つある(当たり前)

4/5に横須賀で千住真理子ヴァイオリン・リサイタル「春色のメロディ」へ行ってきた。彼女のストラディヴァリウスがどんな音がするのかというのも目玉ではあるのだが、全曲ポピュラーなものを集めているので、あまりクラシックコンサートに足を運ばない人でも気楽に聴けるという催しでもある。まぁ、能狂言で喩えると「能は羽衣とか石橋、土蜘。狂言は附子、棒縛、蝸牛」といったイベントかな。

なので、ボクがホール能狂言を観に行かないのと同じ様に、中級以上の人にはカッタルイものだったかもしれない。ボクのようにコンサートを2年に一度くらいしか行かないような人間には、それなりの時間を過ごせたかなぁ。ヴァイオリンの音の伝導が鎖骨から足、床を経由して共鳴するという話も、へぇへぇと唸ったり、そうか、このメロディはこう言う曲名なのかと再確認したり。それと、千住真理子がボクよりも上の世代で、結婚も2度もこなしているという俗世のことまでも知ってしまった。同世代だと思っていたので驚いたわ。これは予備知識としてネットでチェックしたからなのだが。

まぁ、同じものをもう一回行くかと問われれば、行かないんだろうけどね。そう思うと、あぐりや陰陽師での萬斎ブームで、ホール狂言が連日満員になって、ホール公演でも追っかけで観に行くという感覚は凄まじさを感じる。

☆ ★ ☆

千住も好きな曲として取り上げたロシア民謡の「黒い瞳」。露文出身のボクだが、実際に掛かったメロディが違って、記憶違いだったかと考え込んでしまった。彼女が弾いたのはニキータ・ミハルコフの同名の映画でも掛かっていた「Очи Чёрные」の方で、テッキリ「Чернобровый、черноокий」の方だと早合点していた。どちらもいい曲だけど、「Очи Чёрные」はうら悲しいメロディで弦楽器に合っている。

☆ ★ ☆

生でコンサートを大きなホールで聴くいて気付かされること。それは、耳と目のタイミングからズレ。コンマ数秒くらいなのだが、激しい演奏を見れば見るほど、音がワンテンポ遅れて届く。CDだけで聴いていたら分からないし、小さなスタジオでも気が付かないだろう。きっと、テレビでもそんなズレに気が付くこともないのではないか。

狂言でも謡と小舞の型は少しずらしている。謡と舞の型がきっちり合うと、ダサいというか、恰好悪い。舞だけではないが、ちょっと型を遅らせる方がしっくりする。ましてや、型の方が先に済んで、台詞や謡が残っていると不恰好極まりない。これもこの音速と光速の微妙な差異があるからだと思う。

そんなことを思い浮かべてしまった一日だった。

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