墨塗@万酔会2010
早いもので、第13回万酔会が終わって一週間とあいなりました。
いつもの年なら、万酔会が終わると一気に年末モードなのですが、今年はまだ11月。あと1ヶ月ちょっとありますねぇ。
さて、今年は大名役。2008年の文相撲の以来2年振り。あの時は、自ら希望して大名を選び、大名のしんどさと自分の技量と体力の無さに轟沈して、二度と自ら希望して大名はやるまいと誓ったのに、万之介先生に「前田君。君には女心をしっかりと教えるからね」と言われて何だかやる羽目に。
そのお相手は、太郎冠者にその万之介先生、女に竜楽さんの二人の本職の芸人。うむむ。否が応でも、注目の番組に首を突っ込んでしまっている。
また、竜楽さんとは4年ぶりに組んでの狂言。
・2002年の佐渡狐 私の佐渡のお百姓と竜楽さんの奏者
・2003年の清水 私の主と竜楽さんの太郎冠者
・2007年の仁王 私の有徳人と竜楽さんの博奕打
と経験して、本番の竜楽さんの力技を知っているつもりだったが、当日は見事にやられました。はい。がんがんに台詞を引っ張って、もしや絶句したのではと台詞と突っ込んだら、絶句していなかったとか。おいおい泣きながら後見座に入るときに、腰をクネクネして行く所等。やりますなぁ。
☆ ★ ☆
■烏帽子もつけずに楽屋でリラックス中。石田先生とは大槻能楽堂の楽屋か今は無き近鉄アート館の楽屋か以来で10年ぶりくらいかなぁ。
■竜楽さんと記念写真。この時は絶句地獄が間近に迫っているとは露知らず。。。
■幕入りした後も、こんな気分
先に述べたように、二人のプロが出る今回の万酔会での注目の演目。それに体当たりでぶつかったのだが、見事に玉砕しました。台詞だけは間違えないように気にしながら足を一歩踏み出し、「遥か遠国のぉ~」と言ってしまうと、あら不思議。似たような次の台詞が次から次へと頭に浮かんでしまった。まずい。言い間違える訳にはいかないと、思わず顔を顰めてしまった。絶句一発目。1秒しなかったと思うが、強引に進めてこの場を回避。太郎冠者を呼び出す。
お大名風に鷹揚に台詞を言って、絶句したかの雰囲気を掻き消す努力をしたのだが、どうだったか。
二度目の絶句も、似たような台詞のある道行。墨塗では「さてこの間は」という台詞が2箇所ある。その一つがこの道行。もう一つが次の女との掛け合いのところ。見事に言い間違えそうになり、やってしまった。これも0.5秒ほど。あ~あ。
一週前の申し合わせの後に先生からは、一緒の舞台に載っているから台詞はつけられないからねと言われていたし、間違えるわけにはいかなかったんだよねぇ。当たり前だけど。
後は、竜楽さんとの掛け合いと終わりの大笑いのところ。本当に嫌になる。ビデオを見るのが憂鬱だ。
☆ ★ ☆
昨年はモンゴル相撲の女と言われながら「楽屋で一番受けていたのは、痩松の女!」と評されていた私。今年は見に来てくれた知人が口々に「本当のお大名みたい」「女より大名ね」と言ってくれたのは嬉しかったねぇ。その大名が国許へ帰るのを妾に言うべきか床机で子供のように足をジタバタさせて困っている姿に笑いを見た人も多かったようで、これも喜ばしい。
いずれにしても、狂言を演るのは楽しいですな。
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