ひとりじゃできない
4/30にNHKで放送された『にっぽん紀行「ひとりじゃない~北海道新得高校 それぞれの春~」
』(ラグビー部員はたったひとり。野球部員もひとり。過疎化が進む北海道の小さな公立高校で励まし合って練習してきた2人。高校3年生になったそれぞれの春を見つめる)。ちらりと見たが、うちの母校の狂言研究会と同じだ。何しろ1学年1人入部すれば御の字の団体。過疎も関係なく毎年のように絶滅(=休部・廃部)の危機だった。
今年はどうなんだろう。私が現役時代は16人、20人近く掻き集めて隆盛を誇っていたが、3月に集まった60周年記念式典では、東大と早稲田の狂言研の院生を合わせても5人居るか居ないかだったものな。
番組では野球部の子が今年はキャプテン、ポジションも捕手とか言っていたようなことを流していたねぇ。これが狂言研だと、毎年大人数が入ってしまうと、自分がやりたい曲の役が回ってこないという嬉しい悲鳴がある(萬斎さんもそんな心配をしていた)。かと言って、人数が少ないと、これまたやりたい曲が出来ない。2つ上の先輩も、自分のレベルと合う相手が居らず、一人シテの曲を仕方なくお稽古していた。狂言は一人じゃ出来ないものなのだ。
現実に今の万作一門の構成を見ると、亡くなった万之介先生に代わる名脇役が欠落し、番組に物足りなさを感じるのは否めない。先日2012年春の叙勲で旭日小綬賞を授章した万作先生、その子萬斎さん、石田さんの三方の組合せばかりではないからねぇ。
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さて今日5/2は万之介先生の誕生日。ご健在であれば、今の季節、GWあたりからその年の万酔会の番組決めをするのだが、去年も今年もない。寂しいけれども、生まれたばかりの愚息との時間を多く過ごせると思うと微妙な心持でもある。
■この春にかけてお配りした「追悼野村万之介」。2/20にも触れた通り、国立国会図書館に収蔵されました。本館(東京)、関西館の2箇所に収められていますので、是非機会がある方はお手に取ってください。
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