やな夢
週末に嫌な夢を見た。
万乃会で初手から絶句。全然違う演目をやらかしてしまうもの。その上、依頼された番組表の印刷手配を間違えたり、コンタクトレンズを入れてないから断っているのに後見に急遽出させられて舞台をぶち壊したり。正月に先生のお宅で稽古をしに伺って、またここでもドジを踏む。そんな夢。グッタリやった。
☆ ★ ☆
今回の万乃会は、万作師門下に我ら万酔会(故・万之介先生門下)と萬斎師門下もご一緒させてもらっての会だった。懇親会で皆さんのコメントを伺っていると、大分万酔会を意識してもらっていた。恐縮する。
男性が大勢力の万酔会。大分楽屋でも毛色が違ったようだ。
万酔会組が舞台を終えて楽屋に戻ってくると、みんな口々に「今日の見所はどこそこで受けた。こうしたら受けた」と言うのを聞いたと語る万乃会の某氏。
凄く新鮮だったという評が的確に表している。
きっと先生にきちっと教わって、きちっと演ることが目標だったのだろう。
でもねぇ、上手く演っても、受けないケースがあるからね。
(勿論、教わった通りにやろうとしております)
万作先生も面白く演るより、きっちり演る方を重視すると仰っていた。その上、「稽古は兎も角、舞台に出たらこっちのもの」という意思がありありだとの評も頂いてしまった。先生の講評後に、我が万酔会の面々が、万之介先生が好き勝手していいと仰っていたわけではないと弁明に走り回ったのはご愛嬌だった。
万作先生が稽古の時、よく仰っていたのは、「それは写実的。様式的の方が普遍性がある」というようなこと。型が崩れるのを特に注意していた気がする。あの六地蔵の立衆のオチャラケの動きでさえ、型としてはめるのを望んでおられた。
ちなみに萬斎師は「お金を戴いて舞台を見せているのではないし、ましてやお金を自分で払ってやっているのだから(以下略)」とも仰っていましたね。
☆ ★ ☆
狂言を稽古する面々でも、爆笑系の曲が好きな人も居れば、渋い曲を好む方も居る。万酔会の面々は、爆笑系を好む人が多いとは思うが、これはこの師にしてこの弟子ありですかねぇ。万之介狂言の会でも、先生は賑やかな曲が好きだったもんねぇ。先生も番組に組もうとしていた右近師との三人片輪を観たかったが、叶わなかった。
この写真は万之介先生の形見の財布。万乃会当日の朝、「万之介先生の(はずれ)馬券の入った財布は、一緒に競馬を楽しんでいたので縁のある○○(私の名)が持っているのが一番だと、ご家族から」と手渡されてしまったもの。外れ馬券が入っているの?当たり馬券でももう勝馬投票券の有効期限が切れているから紙屑なんだけど… 当たらないと言うのは、舞台にとっては良くないよね。大根みたいで。
とかいろいろ頭の中で反芻しながら、どれどれとバーバリの財布を見てみた。
ん?ない。スイカと先生最後の舞台の日付が最終日のその明細、それと小銭入れに残った1円玉だけだった。
先生の形見分けでは何も戴かなかったので、この財布を大事にしておこう。
☆ ★ ☆
この財布を預かったせいではないが、絶句で万作先生につけられてしまったんですよね。
六地蔵は両先生に教わっているので、万作先生に似るか、万之介先生に似たかの判断を仰ぎたかったけど、それ以前で躓いてしまった。
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Comments
そういう夢を見るようになった、というのは、狂言に対しての思いが強くなったことの現れと思いますよ。
自分の場合は、道具忘れた夢が多かったです。忘れ物しないためのチェックリストを作ったら減りましたけど。
Posted by: かけり | 2012.10.23 20:47
>かけり
ご無沙汰しています。う~ん。狂言への思いが強くなったかというと、微妙ですけどねぇ。
別項を立てるつもりですが。
絶句の夢は学生時代から見てるんですよ。高校演劇でやらかしてまして、ざわついた客席に黙れ!とどやしつけた経験もあるんですわ。まぁ、こんときは暴走族のボス役だったので、どやしても問題なかったんですけどね。
Posted by: ぶ | 2012.10.24 21:39