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2013.06.05

北の無人駅には行ったことがない

今年の春先に読んだ「北の無人駅から」(渡辺一史・著/北海道新聞社)。一昨年に各種のノンフィクションの賞をとった作品なのだが、全く知らなかった。中身も鉄分満載と思って読んでみると、そこには駅を起点にした日本の各問題の縮図があった。漁業、農業、平成の大合併について足元から突き上げてくる何かを突き詰めている。

3・11以来、うちでは北海道産のゆめぴりかを買うことが多くなった。その北海道産米が美味しくなっていく過程や、農政の問題点などを淡々と記している。羽咋のスーパー公務員の高野誠鮮「ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?」は、不思議なやる気を起こさせる魔力があって、農業も捨てたもんじゃないという気にさせたが、本書のように出来事を積み上げたものを見せつけられると、メディアに幻惑されてはいけないと思う。現場にはまりこんだTVや新聞なんてないのだ。農業情報研究所の北林寿信氏が「大手マスコミ 農政・規制改革で農業構造改革をの大合唱だが 現実を見ない空論にすぎない」(2013/5/14)で各紙の社説に反論を述べているのを読んでも明らかだろう。

☆ ★ ☆

私が驚いたのは、YHのことが書かれた章。大学生の時代、青春18きっぷを愛用しながら、数多くのYHに泊まった。そのYHが崖っぷちなんだ。


■20歳の私。痩せてるな… 94年の更新が最後か。この年は、大阪玉造から旧伊勢街道を178キロ5日間歩く大阪YHのイベントに参加した年だ。

各地のYHで聞いた名物YHの利尻YHには行けずじまいだった。北海道ではないが、子どもの頃から馴染みのある城ケ島YHも知らない間に廃墟になっていたし、毎夏遊びに行った隠岐の島YHも今は閉じているとか。(隠岐の島YHを舞台としたみうらじゅんの「色即ぜねれいしょん」が映画化されていたようだが、それも全く知らなかった。)隠岐の島YHには、愚息に是非行ってもらいたいYHだったんだけどな。


■石神井城址で大好きな小枝を持って駆け抜ける愚息。

酒も飲めないとか、食器を洗うのが面倒とか、夜のミーティングが億劫とか、今の時代にはそぐわないのだろう。でもなぁ、ベッドルームで情報交換する面白さ、世代の違う人とやりとりする会話はたまらんかったけどな。

愚息には遅くても中学に上がったら、一人でYHをうろうろするようになって欲しいんだが。小学3年で石見の三瓶の山村長期留学にも行かせたいけど、これって本人の意志がないとダメなんだよね。

☆ ★ ☆

本書のきっかけは北海道をたどる23の駅―小さな駅の物語1999-2001で書かれているようなコラムだったと言う。そこから、こんな大作が出来上がったのか。

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