今日の花子は色気がおまへんな
6月6日は芸事初めの日(正確には数え6歳の6月6日)。愚息にはまだ3年ある。去年の今頃はいろいろ想像していたが、今年はそんな浮かれた馬鹿親にはなってない、と思う。まだ単語もちょこちょこだし、身体が小さいからお友達に玩具を取られたら取られっぱなし。山ノ神曰く、どのママ友さんからも「大人しくて、可愛いわね」と言われ、公民館や児童館の保母さんからも「育てやすいよね」と評されて、ムッとしている。子育てがしんどいんですって言えなくてだ。
■蝸牛の囃子物で上機嫌の愚息。いつもは阪神の応援グッズのバットを持って浮かれるんだな。
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芸と言えば、先月末に亡くなった人間国宝の千作翁。亡くなった週の週末、万作先生のお稽古の日に当たって、千作翁の思い出話を稽古の後にぽつりぽつりと話された。私と同じ、万作先生も千作翁も未年なのだそうだ。丁度一回りの年の差。聞くところによると、隣に奥さんが一緒に寝ていたのに亡くなったのに気が付かなかったとか。大往生と言えば大往生ですね、と感慨深げに言っておられた。
肺がんだったんですってね。お酒はコントロールしていたようだけど、煙草だけはやめられなかったみたいだとも。楽屋で正義さんのをくすねて吸っていたとか。とポツリ。
弟の千之丞さんは標準語を喋るけど、千作翁は京言葉で、これがまた狂言みたいに人を食ったような感じだったとこぼしてましたな。
稽古場からの帰り道、一緒にいたT君と「万作先生は千作・千之丞のどっちと馬が合ったんでしょうかね」という話題になった。やっぱり同じ次男の千之丞の方かなと思うけどね。
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亡くなった万之介先生は、自身の花子の披きの時、帰りのタクシーの車中で千作(当時の千五郎)に言われたそうだ。「今日の花子は色気がおまへんな」と。すぐに隣の先代の千作師に千五郎は小突かれたそうだ。もう半世紀も前のことを飲んだ時に聞いた。何回か聞いた。
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土曜日にNHKで追悼番組が掛かるそうだが、TVじゃあの弾けっぷりは半分しか伝わらんのだよねぇ…
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