いよいよ入門
今日から3月。いよいよ倅の狂言のお稽古・万作先生の師範稽古が今月から始まる。
4歳8か月、数えで6歳で入門となった。
9/24(土)@セルリアンタワー能楽堂の万乃会、痺のシテ・太郎冠者が初舞台となる。(もちろん、私は主)
■お稽古用に白足袋を履いてみた倅。
年明け早々に万作先生のお許しが出て、ホッとした反面、ちゃんと出来るかなという不安ももたげてきた。
何せ、字がまだ読めない。
シツコイしまじろうや公文(これは萬斎師のキャラか)の強力な攻めに対し、真っ向から対抗して敢えて字を教えていないのだ。「子どもと本 (岩波新書) 」(松岡享子著)に書いてあったが、3、4歳の子供で字が読める子と読めない子では、物語への入り込みかたが全く違う。読めない子が絵本の世界に奥深く入り込むのに対し、読める子は文字を追うことで事実や現象を追認しているだけ。子供は「想像力を目一杯伸ばして、言葉の奥に世界を創りだす力」を持っていて、小さい内に文字を覚えてしまうと、物語に深く入り込めず、この力を十分発達させる機会を失ってしまう、というのだ。
これを読んだとき、成程と思った。
耳だけで、人の話やラジオの音から、自分が知っている単語を拾い出して、勝手に想像しているんだ。
とまぁ、字を教えないことを肯定していたものの、大丈夫かなぁと思うことも事実。
本当に、昔ながらの口真似でお稽古することになるんだろうな。
成人してから稽古するのと、幼い時からので大分違うのか興味津々である。
もう一つの不安は、20分なり、30分なりのお稽古に耐えられるか。
今のところ、狂言は大好きと思う。狂言好きの親に無理やりやらされているとか騙されてお稽古するということではないのではあるが、それだけで大丈夫なのか。
先日のハートネットTVの「宝生閑さんの回"耐えて なぐさめて 生きる ―能楽師ワキ方 宝生閑―"」の再放送をたまたまTVのある実家で見る機会があった。お孫さんのお稽古風景を食い入るように見ていた倅に、「礼に始まり礼に終わるからね」とか「足運びはあんな感じなんだよ」とか注釈。倅本人は分ったと言ってはいたが。
☆ ★ ☆
足袋はお子様用の滑り止め防止付タビックスみたいなものしか持っていなかったので、松飾が外れてから買いに出た。最初、土日も開いていると思っていた三原橋の銀座大野屋(新富町の大野屋総本店は確か平日だけだったよなぁ)に寄ってみたところ、その日は休業。
■銀座駅で不貞腐れ中
「何で休みなの。買えないの。明日も買いに来よう」と大泣き。宥め賺して、地元池袋西武の呉服売り場へ。子供用のサイズの足袋もあってホッとした。
ちゃんと足を測って購入。
鼻血が出んばかりに喜んでしまって、「あって良かった」「あって良かった」と帰りの電車の中で連呼しておった。
帰宅後早速履いてみた。
■ヘタレだから、ファンヒータの前を陣取っておる。
■袴は左からなんだけどな。
■14センチです。
もう、履いたり脱いだり大忙し。今まで私のお稽古や本番の舞台で見た姿を思い出して、運足までしてみるほど。
謡や台詞も私の変な癖が付かないように、しばらくは運足のお稽古にお付き合いという感じかな。
兎に角、まずは楽しんで狂言しよう。
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