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2024.12.27

自分の居場所は自分で創る

「妻が出している本なんです」と、11/17の万作を観る会の時、唐人相撲でご一緒した田口恵介さんから声を掛けられました。 「Yes,Noh.: ニューヨークから34歳で能の世界に飛び込んだ女性能楽師のYESな半生」(関直美・著/KuLaScip) 残念ながら、関師の舞台は拝見したことはないのですが、読み進めると、なかなかアグレッシブな方ですね。 自分の居場所は自分で創るという、家の子とは違った力強さを感じます。ヤマザキ・マリの母親も北海道で生き抜いた人ですが、関師も十勝から30歳を過ぎて、新たな道を切り開いたんですから。 ☆★☆ 家の子以外の人が、能楽師になるには、いろいろな道があるのです。 しかし、30を過ぎてから飛び込むのは、熱量がないと出来ません。最近、喜劇人・小松政夫の関連本を何冊も読みましたが、別の仕事で実績を作ったうえで、芸能の世界に飛び込んだ方の生き方は参考になることが多いです。 ただ、ただ熱量に圧倒されます。 ☆★☆ 能楽師の本は、我々素人弟子にとって、日々の稽古のヒントになるようなことが、あちこちに散らばっています。文章の全部が全部ではないですが、何かひとつでも心に引っかかるものがあれば、読む価値があるのです。 本書では、宝生流の関師が金春流の前宗家と対談をしていて不思議な気がしたのですが、読み進めると頷くことになります。 今の能楽の世界でも、家の子以外から飛び込んでくる方もいらっしゃるでしょう。同じように熱量のある方々なのかなぁ。それが分かるのは、彼らが七十くらいになって、来し方を語る段でしか知ることはないでしょうけれど。まずは、今を精一杯芸に精進されているでしょうから。 ☆★☆ さて、本書を紹介した田口さんの奥さん。この方は花王から独立されて出版社KuLaScipをされているという経歴。 こちらも興味津々なお方ですね。

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